かごしま近代文学館特別企画展 「漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり~かごしまスペシャルエディション~」

かごしま近代文学館特別企画展 「漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり~かごしまスペシャルエディション~」

展覧会 開催日:2026年10月03日 - 2026年11月30日

《描く人》2024年 ©こうの史代

 

漫画原画390枚以上! カラーイラスト、挿絵原画、絵本原画、資料等も多数展示!

 『夕凪の街 桜の国』(手塚治虫文化賞新生賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞)

『この世界の片隅に』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞)で知られる、こうの史代の全貌に迫る初の大規模原画展ついに開催

こうの史代(1968-)は、漫画というフィールドで、実に多彩な表現活動をしてきました。

お花屋さんが舞台のコミカルなショートストーリー連載『街角花だより』(1995)でデビューし、インコとの日常を描く4コマ漫画『ぴっぴら帳(ノート)』(1997-2004)で人気を博します。ニワトリと少女のユニークな日々を綴った『こっこさん』(1999-2001)も忘れることはできません。“命あるものと共にある日常” を見つめた、これら初期作品の世界観があって、『夕凪の街 桜の国』(2003/2004)、『この世界の片隅に』(2006-2009)へつながっていくことになります。

もちろん、それは到達点ではありません。こうの史代はさらに先へ進みます。漫画という表現に、誰よりも強い好奇心を持っているからです。

非凡なアイデア満載の『平凡倶楽部』(2006-2010)で読者を驚かせたかと思えば、『ぼおるぺん古事記』(2011-2012)ではボールペンだけで「古事記」を忠実に漫画化しました。東日本大震災の翌年から連載を開始した『日の鳥』(2012- )は、妻を探す雄鶏の目を借りて、移りゆく時の流れをスケッチしています。

漫符を素材にした画期的な漫画図鑑『ギガタウン 漫符図譜』(2015-2017)、「百人一首」と遊んだ華麗なカラー1コマ漫画『百一 hyakuichi』(2018-2020)、「般若心経」をコロナ禍と重ね、2色の線が絡み合う長編『空色心経』(2023-2025)など、新しい漫画の可能性へ向けて、挑戦は続きます。

こうの史代の特徴として、アシスタントを使っていないことが挙げられます。そのため、どの線にも彼女の気持ちがこもっています。たった一人で描いた「一枚の絵」として原画を見ることで、これまで気づかなかった線の魅力、色の力を感じていただけることでしょう。

本展は、“かごしまスペシャルエディション”と名付けています。10代の頃の作品から連載中の最新作『イメル・フウリ』まで、こうの史代の全貌がわかる厳選した390枚以上の漫画原画のほか、新聞連載『荒神』(原作・宮部みゆき)の挿絵を過去最長の点数で展示いたします。また、発表時各方面で話題になった掌編「描く人へ」(2025)の鉛筆で描いた原稿パートなども、今回初めて展示いたします。もちろん、デビュー以前の貴重な資料の数々、膨大な挿絵、イラスト原画、絵本原画、ブログ「こうのの日々」に登場するスケッチブック、執筆風景を記録した映像などもご覧いただけます。こうの史代の過去、そして現在進行形の「今」がわかる展覧会になっています(未来も感じ取れるかも)。楽しみに待っていてくださいね。

  

《夕凪の街 桜の国》カバーイラスト、2004年 ©︎こうの史代/コアミックス     《この世界の片隅に》2007年 ©︎こうの史代/コアミックス

開催概要

会 期 2026(令和8)年10月3日(土)~11月30日(月)
休館日 火曜日、11月4日(水)※11月3日(火・祝)は開館します。
会 場 かごしま近代文学館 文学ホール、常設展示室2階
観覧料 一般900円(720円)、大学・高校生670円(530円)、小・中学生450円(360円)

※文学館常設展示もご覧になれます。( )内は20名以上の団体料金

主 催 鹿児島市、公益財団法人かごしま教育文化振興財団
共 催 鹿児島市教育委員会
監 修 福永信
協 力 呉市立美術館、コアミックス、朝日新聞出版、日本文芸社、平凡社
企 画 青幻舎プロモーション
後 援 鹿児島県教育委員会、鹿児島県連合校長協会、南日本新聞社、MBC南日本放送、KTS鹿児島テレビ、KKB鹿児島放送、KYT鹿児島読売テレビ

チラシ(PDF)

関連イベント

こうのさんがライブペインティングをするよ!

日 時 10月3日(土)13時頃~17時頃

10月4日(日)10時頃~12時頃

(時間は少し早かったり、逆に遅く描き始めたりするかも。休憩もするのでいないときもあります。)

会 場 ライブラリー
参 加 無料
申 込 不要(随時、見学は自由です)

 

こうのさんが見どころをおはなしするよ!

出 演 こうの史代(漫画家)

福永信(小説家、本展監修者)

日 時 10月4日(日)13時~15時
会 場 メルヘンホール
定 員 60名(先着)
参 加 特別企画展チケットが必要
申 込 申込専用フォーム 

※受付開始/8月19日(水)10時から

ギャラリートーク

日 時 11月3日(火・祝)13時30分~
会 場 特別企画展会場
定 員 20名程度(当日先着)
参 加 特別企画展チケットが必要
申 込 不要

えほんのじかん~こうの史代スペシャル~

日 時 11月7日(土)14時~14時30分
会 場 親子読書コーナー
対 象 小学生以上
参 加 無料(申込不要)

こうのさんにお手紙が書けるよ!

会期中、ファンレターを書くコーナーを設けます。会期後にこうのさんへ直接お渡しします。ふるってご参加ください。

 

こうの史代 プロフィール

こうの史代(こうの ふみよ)

1968年広島市生まれ。広島大学理学部中退。放送大学教養学部卒。1995年、「街角花だより」の連載で漫画家デビュー。インコとの日常を描く4コマ漫画「ぴっぴら帳(ノート)」で人気を博す。ニワトリと少女のユニークな日々を綴ったショートストーリー漫画「こっこさん」、子供の心を見開きページに釘付けにしたカラー漫画「かっぱのねね子」も同時期に連載。夫婦の気ままでコミカルな永遠の一日を捉えた「長い道」、こうの自身より年齢が上の主人公を初めて描いたドタバタ二世帯喜劇「さんさん録」でさらなる新境地を開く。原爆の被害とその後に続く“終わっていない”日々を真摯に紡いだ「夕凪の街 桜の国」を発表し、話題に。同作で第9回手塚治虫文化賞新生賞、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞、映画化やドラマ化もされた。広島の軍都・呉の戦災を描く「この世界の片隅に」は、戦前から戦後まで、個人の時間を奪う戦争の惨禍のすべてを、日常の低い視点から力強く描いた。本作は第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞、またアニメーション映画(監督片渕須直)がロングラン大ヒットを記録。こうのにとっても集大成的な作品となった。その後も漫画という表現に対する好奇心は尽きず、非凡な才能炸裂のエッセイ漫画「平凡倶楽部」、ボールペンだけで古事記を忠実に漫画化した「ぼおるぺん古事記」(古事記出版大賞稗田阿礼賞受賞)、東日本大震災の翌年から描き継がれている「日の鳥」、漫符を素材にした画期的な漫画図鑑「ギガタウン 漫符図譜」、百人一首と遊んだ 華麗なるカラー1コマ漫画「百一」など、ひとつとして似ていない作品を続々と発表。2025年4月には「ぼおるぺん古事記」以来、12年ぶりとなる長編「空色心経」を刊行。般若心経とコロナ禍の日々を2色の糸で撚り合わせるように重ね、時空を超えた世界と日常を結んでみせた。同年同月刊行の最新刊に「ヒジヤマさん 星の音 森のうた こうの史代短編集」がある。2025年7月号から小説新潮で1ページ漫画「かぐやサン」を、2026年3月からは週刊漫画ゴラクで「日の鳥」に連なる漫画作品「イメル・フウリ」を連載中。ブログ「こうのの日々」では「空色心経」の全制作過程やインコTさんとの日常、日々のスケッチなどを公開している。

ブログ「こうのの日々」~日々の写真やスケッチを公開中

監修者コメント

こうの漫画を読んでいて、ふと気づくのですが、彼女の漫画には、1冊も似た作品がありません。

 

そしてまた、ふと気づいて驚くのですが、こうのさんの描く漫画は、いつも、ほとんど同じタッチで描かれています。

これが漫画だよな、と思わせる、読者をほっとさせる、あの愛らしいタッチのことです。

 

4コマ漫画でも、ほのぼのショートストーリーでも、神話ものでも、戦争ものでも、あの絵柄で一貫して描いてあります。戦争ものだから、急にシリアスな絵柄で、とはなりません。

 

古代や現代、戦争や平和、動物や人間、どんなに世界が違ってしまっても、毎日が続いている、かけがえのない時間が流れている。こうのさんの描く漫画を通じて、読者はそう感じることができます。

 

こうの史代は、まだ漫画になってないこと、誰も手掛けてないこと、手薄なところを探して漫画にしていく、漫画の世界の冒険家です。

だから読者は、彼女の漫画を読むたびに、こんな世界知らなかった!と、いつも思うのでしょう。

 

そして、そんな読者に、彼女は、漫画の中から、こう呼びかけているようです。

見慣れたはずの「漫画」という表現が、新鮮な姿に見えてきたでしょ? ほら、まだこんなに描くことがあるよ、君もこっちに来ない?

 

この展覧会では、漫画家こうの史代が歩いてきたすべての道のりをたどります。漫画の原画展といえば、ストーリーを「ぶつ切り」にして原画を展示する場合が多く見受けられますが、本展は基本的に1話単位で展示しています。こうのさんが漫画を描いているときの気持ちも一緒に感じてほしいからです(『夕凪の街 桜の国』は全ページ展示しています)。現在進行形の、私たちの同時代を生きる漫画家の姿をじっくり体感していただけたらうれしいです。

  

 福永信(本展監修者/小説家)

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