磯の地で挑んだ技術革新
地面の中から現れたのは、薩摩人の挑戦の歴史でした
 嘉永4年(1851年)、薩摩藩主に就任した島津斉彬は国の未来を見据え、富国強兵と殖産興業を目的とした集成館事業に着手します。その舞台として定めたのが、景勝地として名高い大磯(現在の鹿児島市吉野町磯地区)でした。集成館事業は、日本最初の様式産業を確立し、近代化の礎を担ったとして高く評価され、平成27年(2015年)に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として登録されることになります。
 今回の特別企画展では、集成館事業の変遷やその内容について、磯地区における関連遺跡の発掘調査成果を展示し紹介いたします。特に、初めて集成館事業関連遺跡から出土したガラス溶解用坩堝やヨーロッパ製陶磁器は大変貴重な資料となりました。
 風光明媚な磯地区を舞台に、日本の将来を真剣に考えた薩摩人が挑戦した技術革新(イノベーション)の数々をぜひ体感してください。

「大磯」三国名勝図会 巻之二

磯に近代化の風が吹くまで
集成館事業の舞台となった大磯(現在の鹿児島市吉野町磯地区)には、万治元年(1658年)に島津氏の別邸・庭園を有する仙巌園が建てられ、景勝地としてその名を高めました。当地で集成館事業が展開される以前の大磯の様子を、出土品や絵地図パネル、関連史跡の写真パネル等を展示し紹介します。
斉彬が進めて富国強兵と殖産興業 -第1期集成館事業-
斉彬より推し進められた修正化事業は、在来の手工業技術に西洋の技術情報を間接的に取り込んだものでした。大砲生産の中心となった反射炉跡・溶鉱炉跡で検出された遺構・遺物や、薩摩切子・薩摩焼の生産に関連した遺物等に加え、在来技術を示す他遺跡の出土品も交え展示します。
継承された薩摩の技術革新 -第2期集成館事業
斉彬の没後、大幅な縮小を余儀なくされた集成館事業は、文久3年(1863年)に勃発した薩英戦争を機に、西洋の技術者の招聘や機械の輸入といった、直接的な技術の導入に踏み切ります。再興した集成館事業の様子について、鹿児島紡績所跡や鹿児島紡績所技師館の発掘調査成果の展示を通して紹介します。
磯地区のその後
明治10年(1877年)の西南戦争において磯地区はその戦場となりました。その際に集成館工場群も甚大な被害を受け、近代化の波は大きく後退することになります。発掘調査で判明した磯地区の“その後”について紹介します。
関連イベント
展示説明会
 11/3(日)、12/8(日)、1/5(日)すべて13:30~(30分ほど)
 会場:企画展示室
特別企画展関連講座
 会場:視聴覚室
 応募方法:事前予約(定員50名)
◆テーマ『MADE IN 磯 ~ 集成館事業における「ものづくり」~』
 12/21(土) 13:30~15:00
 講師:長野 陽介氏 (鹿児島市教育委員会文化財課)
日 時
2019年11月1日(金)~2020年1月13日(月・祝)
開館時間
午前9時~午後5時
※休館日は月曜日(休日の場合は翌平日)・12/29~1/1
観覧料
無料(ただし、常設展示は、小・中学生150円、高校生以上300円)
交通案内
●JR指宿枕崎線「慈眼寺」駅より徒歩20分
●慈眼寺公園前バス停留所より徒歩15分
●谷山インターより車で10分
●鹿児島市コミュニティバスあいばす(日曜日は運休) ふるさと考古歴史館前下車
主催・お問合せ
鹿児島市/鹿児島市教育委員会
問い合わせ:鹿児島市立ふるさと考古歴史館 ☎099-266-0696